KEMTO

きっと、うまくいくのKEMTOのレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
4.5
Prime Videoのウォッチリストに何故か入っていたからずっと気になっていたけど、3時間に迫る上映時間のために長らく二の足を踏んでいた作品。(本作とは関係ないけど、Prime Videoのウォッチリストにメモ機能もあったらいいのになぁ。どういう由緒でリスト追加したのか思い出せない作品ばかり)

多分、一時期インド映画の踊りのシーンにハマっていた時期があって、インド映画で何かおもしろいのないかと探していた文脈で追加した1本だったと思う。
ボケ過ぎて途中までインド映画だということすら忘れていたけど、踊りが初めて出てくるシーンで思い出した。
正直、クライマックスに差し掛かるまでは「おもしろいけど正直インド映画ってやっぱり踊りに全部持ってかれちゃうな」と思っていた。
踊りのシーンは期待を裏切らない笑いを提供してくれたし(そもそも観衆を笑わせるのは本義でない?)「あーインド映画はやっぱり踊りがおもしろいけど、踊りがあるためか?長くなっちゃうのかなぁ」とか余計なことを考えていた。

でも全編観了してみると、構成や伏線も含めてよく作り込まれている作品だなと感じた。
私の場合「どれだけ心を動かされたか」とかでなく「どれだけ脚本が精緻に作り込まれていたか」等が映画の審美眼に組み込まれてしまっており、そこに対する自省の念やコンプレックス(?)まである。要は、純粋に感動できないことも多いのよね。。

ともあれ、導入から現在と回想の行ったり来たり、そしてクライマックスにかけての展開はすごくよかった。観終わってみるととてもすっきりした感じがあり、それが私にとってのこの評価に繋がった。
映画のシーン1つだけを取って「それはないやろ」とすぐ言うのは無粋だと思うけど、いくつかの要素が絡み合ったときに整合性が取れないときは「それはないやろ」ってすぐ言っちゃう。
本作は「それはないやろ(笑)」というシーンはあったけど、辻褄が合わなくて「それはないやろ」と思うことはなかった。
後は登場するエピソードのそこかしこに、「インドだとこの内容さえも純粋な笑いのネタになるのかな」などと思ってしまい、その文脈に対してインド社会の闇を感じた節はあった。

いずれにせよ自分の中では名作として残った。
休日時間があるときに気を許した人とまた観てみたいと思う。
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