ゆずきよ

大河への道のゆずきよのレビュー・感想・評価

大河への道(2022年製作の映画)
3.8
以前に何かの紹介で見て気になっていました。
舞台となっている千葉県香取市は実家からそう遠くない場所で、特に佐原は馴染みがあります。
伊能忠敬記念館は行った事無いけどね。

物語は、地元を盛り上げるために、出身の偉人である伊能忠敬を描いた大河ドラマを作成しようと奮闘する市役所職員のお話です。
主演はこういう役をやると天下一品の中井貴一。
脇を固めるのは、少しおとぼけ良い味出してる若手に松山ケンイチ、今注目の演技派女優岸井ゆきの、凛という言葉はこの人のためにある北川景子などです。
更に私の大好きな渋い名脇役さんが勢揃い。
原作は立川志の輔の創作落語という事でした。
序盤は市役所職員の中井貴一が脚本家である橋爪功を口説き落とせるのかという所に焦点を置き、中井貴一と松山ケンイチの掛け合いで軽く笑いを取る構図。
嫌いじゃ無いです。
中盤前から時代劇パートも入ってきます。
基本的にキャストが二役演じる演出で、これは中々面白いです。
子孫とかでは無く、何となく役回りとか性格とかが現代とリンクする所はあるものの個々の関係性の違いだとか私は好きな演出でした。
西村雅彦だけは異世界転生している可能性が捨て切れない。
時代劇パート終盤の地図の見せ方が本当に見事で、このカメラワークだけでご飯いけます。
伏線の回収は弱めだし、感動という点に焦点を置くのなら今一つだけれど、総じて悪く無いと思いました。
ラストシーンがやや消化不良ではありますが、美しいエンドロールで終幕。

別に理由は無いんですけど邦画のちょんまげ時代物を観たのはなんだか久しぶり。
一本観ると近い時代の映画を観たくなってしまうのが悪い癖です。
ただ今作はちょんまげ系とは言ってもほとんど刀は出て来ません。
派手な斬り合いを観たくなってしまったのでそういう映画を探そうかな。
ゆずきよ

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