ゆずきよ

アウトローのゆずきよのレビュー・感想・評価

アウトロー(1976年製作の映画)
4.0
クリント・イーストウッド主演の『ドル箱三部作』が劇場公開されています。
観たい。めちゃくちゃ観たい。
でも悲しいかな近場の映画館ではやっていないのです。
少し足を伸ばせば届く範囲にはあるのですが、非常に絶妙な距離。
恋焦がれる気持ちを胸に過去のイーストウッド作品(主に監督作中心に)を観漁っていました。
そんな中でそういえばレビューを書いていなかったなとなった作品です。

物語は、南北戦争の最中で妻子を殺された農夫は復讐を誓い銃を手にする。やがて時は経ち戦争が終わりを迎える頃、農夫は早撃ちとして名が知られるガンマンとなっていたというお話です。
私の観る映画で初めて銃を手にする理由の80%が復讐という統計があります。
今回も期待に漏れずそんな理由。
ただし、そこからすんなり復讐させてくれないのがイーストウッド監督です。
いつの間にか戦争も終わっていました。
余談ですけど後に世界史で南北戦争という名前が出てきた時に「おぉ知ってる!」と嬉しくなったなぁ。
そこからはロードムービーの特性も持たせつつ逃亡劇と人種問題、戦争問題を織り交ぜながら様々な出会いと別れを繰り返しとりあえず早撃ちします。
一つ一つの展開に緊迫感があって、お約束にならない事もあるので、いつ観ても集中して観れます。
基本的には少数対多数の戦闘になるのですが、カメラワークが独特なのでたまにわからなくなる事も。
当時は気付けなかった先住民との関わりとかの問題がちょっとした台詞にあったりして考えさせられる内容もありました。
それより何よりイーストウッドがカッコいい。
それと唾吐き過ぎです。
終盤の展開は流石という感じ。
弾切れの拳銃で迫るシーンなんかはもう凄まじいです。
そして安定のラストシーン。
これぞイーストウッド監督作品ですね。

あくまでも主観ですがイーストウッド監督の方向性が定まった映画だと思っています。
方向性が定まったというとちょっと違うかな。
描きたい事が固まったという感じでしょうか。
私がこの監督好きだなと思った作品でもあるし、思い出深い作品の一つです。

そんな事より……監督作では無いけれど、やっぱり夕陽のガンマンはスクリーンで観たいぃぃぃ!!
ゆずきよ

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