これはシブい、激シブ。電車が通過するときの教室内の光の明滅、ビル1階のモスキート音、ビルの前の"蛇の道"、揺れるストリングスカーテン、その奥で鳴るビチャビチャ音、異常な数の空き缶、見たことないカチカチキューブ。登場人物、プロップスほとんどが不気味すぎ。まともな人、料理教室のお姉ちゃん2人だけじゃないか?という勢い。そして動機付けやカラクリが不明確なまま終わる大胆さ。いやー良いですね。個人的には冒頭1カット目から「これファーストカットに使う?」と思えるくらい何の変哲もない料理教室のエスタブリッシングカットから入るってところがシブすぎて良作決定してました。是枝裕和『怪物』では「豚の脳」が人間に移植されてるみたいな話してたけど、今回は「脳のない鶏」が「人間みたい」って言われたり「半分脳が機械にすげ替えられ」たりしてて、脳みその可換性→人間で無くなる話か?とか思ったりしていた。ロゴの「i」もなんか半分消えかけてる人間みたいだし(?)。
1個気になるのはキービジュの背景に映る松岡が本編の同シーンとは逆方向に歩いていること。意図あるのかなあ。