豚肉丸

Chimeの豚肉丸のレビュー・感想・評価

Chime(2024年製作の映画)
4.7
料理教室で教えている男が理解し難い事態に遭遇するお話

完璧な映画すぎてビビる。
黒沢清はまだ『蛇の道』と本作しか観られていないものの、もしかしてとんでもない映画監督なんじゃないのかなと恐れ慄くしかない。
感覚的に進行する物語と理論的にショットや画作りが絡み合ったような感覚が気持ち悪くもかなり楽しく、言葉では説明できない妙な不快感を叩きつけてくる。冒頭の一室であるにも関わらず殆どの生徒が消えて主人公と男の二人だけになったかのような場面や妻が夕食中に空き缶を捨てる場面が代表するようになんとなくズレている不快感が全編に渡って漂っており、整合性を抜かした物語もそれを助長していてひたすらに気持ちが悪い。しかしショットも画作りも何もかもが完璧で、ロングショットで突き放しているような映像が無機質でもあってやはり気持ち悪いが、ある瞬間を境に主人公の精神と同調する瞬間は本当に恐ろしくてゾッとした。
マジで何なんだこれ......
豚肉丸

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