不乱苦

ボブ・マーリー:ONE LOVEの不乱苦のレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
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当方、ボブ・マーリィのCDを数枚買い、彼のヒストリー本を読んでいた程度の彼のファン。

予告を観た段階から嫌な予感がなかったわけではない。なんかちょっとズレてんじゃないかなあ、レベルの低いモノマネ映画になってそうな気がするなあ、と思わなくはなかった。しかし、ここまで予感が的中すると思ってたら観には行かなかった。

ミュージシャンを俳優が演じる映画は、結局演奏シーン、特にレコーディングシーンが最高で、できればそれだけ延々と見せてほしいのだが、そうはいかないところがいつも不満になる。この映画はまさにそれ、というか、いいところはレコーディングシーンしかなかった。最後まで「俳優がボブ・マーリィを演じている」ようにしか見えなかったし、「銃撃事件」前夜あたりから始め、若かりし頃の姿は彼が回想に耽るときだけ出てくる中途半端さで、ずっと寸止めされてるような感じがした。「ボヘミアン・ラプソディ」は、デビューから上り調子のところまでが最高で、あとは最悪の映画だったが、それでも最後にライブエイドを丸ごと再現しているので「まあいいか」と少しだけ許しても良い気持ちになったが、本作はラストも寸止めで暗転。

本編の前に、今回プロデューサーでもあるジギー・マーリィがなんか「父の本当の姿を残せた」みたいなコメントしてたが、「つまんない映画になったのってこいつのせいじゃね?」と勘繰ってしまう。

なぜか劇場のプロジェクターが赤に転んでたり、上映ギリギリでパリピっぽい連中がいっぱい入ってきたり、上映中ずっと誰かの足が臭かったり、踏んだり蹴ったりだよ。
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