RuiAuden

ナポレオンのRuiAudenのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
4.0
冒頭、マリー・アントワネットが金髪を振り乱してギロチン処刑される場面(実際には短く切られていたらしく、史実とは異なる)に始まり、80歳を超えてもなおSir(リドリー・スコット)の演出は衰えを知らない。

歴史家による史実に基づく批判に対しても「お前はその場にいたのか?そうじゃないなら黙ってろ」と迷うことなく回答してしまう歯に衣着せぬぶりも健在(その是非はさておき)で、相変わらず「ブレない」御大。

ナポレオンの生涯ではなく、妻ジョゼフィーヌとのパワーバランスや戦闘場面に重きを置いて描写を絞り込み、セントヘレナへ島流しされるまでを流れるように描いた(長尺を感じさせない)作りが潔い。

歴史大作もSFも何でもござれで怖いものなしの鬼才かつ職人リドリー・スコット。『グラディエーター2』など、今後の作品も楽しみである。
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