このレビューはネタバレを含みます
フランス革命の時代。マリー・アントワネットがギロチン処刑された日。それを見上げている砲兵将校の男が一人。男の名前はナポレオン・ボナパルト。後にフランス皇帝になった男の物語。
まず褒めを。
現代において最上級に近い規模の合戦シーン。特にワーテルローの戦いは絵面の凄惨さも含めて見事。ジョセフィーヌとの関係も合わさって(主に私生活が)どんどん駄目になっていくナポレオンの演技はさすがのホアキン・フェニックスといったところ。
ほかは全部ダメです。
2時間半に収めるには長すぎるナポレオンの半生、その割にはやりたいこと見せたいことが全然映えてない。例えば、ナポレオンが列を成して迫ってくる民衆に容赦なく大砲をブチ込むシーンが、後半自分がやられる側に回るとか、そういうのが特にスペクタクル感なくさらっと流されちゃうので、見せ場らしい見せ場なく終わっていく印象。
たとえばナポレオンに俺がめちゃくちゃ詳しければ「はあ〜さすがはリドリー・スコットやでェ!」となったのかもしれないけど、終始「アンタ誰…?」みたいな人が特段説明もなくバンバン出てくるので、大河ドラマの総集編の短縮版を見てるような印象。
正直手放しには褒められないし、2時間半が非常に辛かった。2023年ワーストかもしれない。