このレビューはネタバレを含みます
ようやく見れた本作。凄まじいパワーを持つ
映画であった。
徹底的にリサーチを行なった脚本は歴史に忠実であり、常に俯瞰して冷めた映画でも
あった。リドリーらしさのある合戦シーンも
素晴らしく、何台ものカメラを使用して撮影されたこももありあらゆる視点からの合戦が映され、それを煽るような劇伴が勇ましく轟く
ナポレオンとジョゼフィーヌの関係性に強く
惹かれた。互いになぜ結婚してるのかわかってるのかすら曖昧で、でもそれでも離れることはできない。行き着く終着点も良かった。
ラストを飾るワーテルローの戦いの空虚さと
いったらない。負け戦なのをわかってもはや
退くこともできず、敵将に「まともに戦えていない」と言われる始末。走り回ることしかできないフランス軍、これまでと違い無策な戦い。果てしなく寂しいものだった。
戦いに敗れ、亡命もできない男が最後に縋るのが届くことのない手紙であるのが何とも悲しい。