骨川スジ夫

インビクタス/負けざる者たちの骨川スジ夫のレビュー・感想・評価

4.0
安定のイーストウッド監督作品!

1994年ごろの南アフリカ。
黒人初の大統領となったネルソン・マンデラは、国内の人種間差別を緩和させようと奮闘していた。そのための施策の1つとして彼が注目したのはラグビー。
当時の南アフリカ代表チームの主将フランソワ・ピナールと面談し、ラグビーワールドカップでの奮起を促す。

マンデラ大統領とピナール選手の2人を主軸にして、未だアパルトヘイトの影響色濃い南アフリカの変化を描いていく。
白人と黒人間の決定的な断絶。
それを、ラグビーに興じる白人の子どもと、道路を挟んでサッカーで遊ぶ黒人の子どもで表現しているのは象徴的。90年代初頭でも、ここまで露骨な状況だったのかというところに嫌悪を覚える。

この状況を打破すべく行動していたマンデラ大統領。彼ひいては南アフリカという国の歴史について興味を持った。

終盤の迫力ある試合シーンと、スポーツがもたらす一体感が国を1つにしていく描写は感動的。
もちろんこれで差別が全てなくなったわけではないだろうが、それにつけてもスポーツや音楽などの文化による影響力は侮れないな、というお話。
骨川スジ夫

骨川スジ夫