骨川スジ夫

チャック・ノリス vs 共産主義の骨川スジ夫のレビュー・感想・評価

3.8
タイトルがそれっぽいが、チャック・ノリス主演のアクション映画ではないので注意!
映画の象徴としてのチャック・ノリスなのね。

1980年代、チャウシェスク政権下のルーマニアが舞台。共産主義の閉鎖的な国家体制下で、国外の様子を知る手立てはほとんどない。
そんな中、国民達のささやかな娯楽は裏ビデオとして出回っていた資本主義圏の海外映画を観ることだった。
というドキュメンタリー映画。

当時、ビデオで映画を観ていた人達や、
吹替をしていた女性、ビデオをダビングして流通させていた張本人ら当事者のインタビューと再現ドラマで構成されている。

合間に様々なハリウッド映画のシーンが挿入されているのも面白い!

本来処罰する側の政府の高官ですら、ビデオを欲しがっていたあたり、娯楽の力を感じる。
映画を通して、自由の国の豊かさに人々は衝撃を受け、憧れる。
彼の国と自国との格差を知った多くの人々が革命の下地となった事実はドラマティック。
物語が秘めるパワーは計り知れない。
骨川スジ夫

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