MasaichiYaguchi

コーポ・ア・コーポのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

コーポ・ア・コーポ(2023年製作の映画)
3.7
岩浪れんじさんによる漫画「コーポ・ア・コーポ」を実写映画化し、安アパートの訳あり住人たちと彼らを取り巻く人間模様を綴った群像劇は、不安や焦燥に駆られる得体の知れぬ日常を底知れぬ生命力で生きていく人々を描き出す。
大阪の下町にある安アパート「コーポ」には、家族のしがらみから逃げてきたフリーターの辰巳ユリ、複雑な過去を背負い女性に貢がせて生計を立てている中条紘、女性への愛情表現が不器用な日雇い労働者の石田鉄平、人当たりは良いが部屋で怪しげな商売を営んでいる初老の宮地友三ら、様々な事情を抱える人たちが暮らしている。
或る日、同じくコーポの住人である山口が首を吊って死んでいるのを宮地が発見する。
似たような境遇で暮らす人間の死を目の当たりにした住人たちは、それぞれの人生を思い返していく。
大阪の安アパート・コーポを舞台に、年齢、性別、職業も知らないながらも、ユルく連帯して飄々と生きる住人たちを見ていると、産まれ育った私の東京下町の日々が蘇ります。