ラグナロクの足音

アデュー・フィリピーヌ 2Kレストアのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

4.3
ちなみに私はリリアーヌ推しです。そしてオラシオお前誰やねん笑 この監督絶対ADHDだろ笑 他作品同様に目的がどんどん難破していくものの今度はカサヴェテス的な雰囲気も帯びていてぶったまげた(といってもこっちの方が圧倒的に先輩だ笑)しかし何故可愛い女の子二人が街を歩くだけの横移動があれほど美しいのか。今般の若者にはない行き当たりばったりの楽観さの中に儚さも紛れ込んでいるというか。バカンスの中でそのような一瞬を捉えながら、それでいて恋の、生死の決定的瞬間を突然に挿し込んでくる。何なんだこの迫力、この才能。アルジェリア戦争継続中のフランス。2か月後に兵役を控えた青年ミシェルはカメラ担当の下っ端としてテレビ局で働くが、モデルの若い女性2人リリアーヌとジュリエットと仲良くなる。どちらの女性ともつかず離れずの関係を続けたままの青年はあるときテレビ局を解雇され、女性たちとも気まずくなって、兵役までの間を友人とともにコルシカ島で過ごすためにバカンスへ。そこへ例の女性2人がやってきて、ますます関係がこじれていく。ラストのリリアーヌとジュリエットのカメラ目線のカット、船に乗るミシェルを二人が見送るカット、伝説的だな。途中、怖いのはソ連やアメリカよりも中国だって先読みすぎな台詞もさらっとやってのけてたのも凄かった。
ラグナロクの足音

ラグナロクの足音