MasaichiYaguchi

マイマザーズアイズのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

マイマザーズアイズ(2023年製作の映画)
3.8
「写真の女」が国内外の映画祭で上映され注目を集めた串田壮史監督の最新作は、最新鋭のスマートコンタクトレンズを装着した母と半身不随の娘が一つの視界を共有し、体と心の境界を見失いながら愛と狂気に翻弄されるさまを描く。
チェロ教師の仁美は、たった1人の家族である娘・エリに頼まれ、コンサートで一緒に二重奏を演奏する。
その帰りに仁美は自動車事故を起こしてしまい、仁美は視力を失い、エリは半身不随になってしまう。
やがて仁美は、生体実験中のカメラ内蔵コンタクトレンズを装着し、視力を回復させることに成功する。
一方、病室のベッドから出られないエリは安楽死を望みだす。
仁美は、エリにVRゴーグルを装着し、自分の主観映像を転送して生きる悦びを届けようとするが、それが思わぬ事態を引き起こしてしまう。
「Jホラー第3波」と呼ばれる本作では、仁美とエリという母娘以外に、もう1組の親子が登場するが、双方共に何処か捻れた関係で、この捻れがリアルとバーチャルの境界を曖昧にし、愛憎入り乱れたストーリーを展開させていく。