岩嵜修平

ヒエロファニーの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

ヒエロファニー(2023年製作の映画)
3.6
またしてもホラーが受賞?と思うくらいクオリティが高いホラー映画。「臨床心理士×牧師(とその限界)」という昨今の海外ホラー作品でも取り上げられるモチーフを、しっかりと日本を舞台に描いている。序盤は心理ホラーだけかと思いきやエグい展開も。

マキタカズオミ監督、存じ上げなかった(『成れの果て』は観てた)が、なるほど青年団演出部の所属なのか。特に序盤の心理描写がもの凄く丁寧で、静かな展開が続く中でもヒリヒリした空気を持続させることに成功している。長編初監督のようだが、ホラーに限らず作れそうだし、演劇も観てみたくなった。

伊勢佳世、古屋隆太、鄭亜美と舞台を中心に活躍する俳優陣を起用しているのも同じく青年団演出部の深田晃司監督(すっかりメジャー監督になられた)に通じ、静かな中での過剰でない演出による怖さ表現も近い感じ。世界デビューを前に、こと映画監督としては、名前はカタカナ表記でない方が良いかも。
岩嵜修平

岩嵜修平