存在するのに存在しないことになっている人の話。原作戯曲の脚本家 戸田彬弘 が、自ら監督しての映画化。
市子の子供の頃のイヤなエピソードに被せるように、冒頭から寝落ちしてイビキをかく隣のオッサンが気になり、不快感10倍。描かれるのは女の悲劇と、男の喜劇。
市子の「花は水をあげへんと枯れるから好き」という台詞が印象的。ある登場人物の姿に重ねた台詞のように思える。
後半はずっと、もっと楽に生きていけたはずなのに、彼女はなぜそんなに「市子」という名前にこだわったのかを考えながら見ていた。最後を悲劇ととるか、希望ととるかは見る人によって違うのだろう。
杉咲花 ってこんなに凄い女優さんだったっけ。冒頭に見せる 若葉竜也 の無垢な表情も良い。