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市子のayappeのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

物語の中で、制作者側の意図みたいなものが見えすぎると感情移入できなくなってしまうかなぁ。雨の中で市子が「最高やー!!」っていうシーンとか特に、「そんなことになる…?」と思ってしまった。映画としては美しいシーンだと思うんだけど、必然性がないような。

市子の描かれ方も、市子の葛藤とか辛さ、どうしようもなさがどこか美しいものとして描かれていて、真に迫ってこなかった。主人公が人を殺してしまっていたら、その「必然性」がないと入り込めないと思うんだけど、妹・義理の父に関してはまだわかるとして、車で海に飛び込んだ2人に関してはいくらなんでも身勝手すぎるよなぁと感じてしまう。

長谷川さんも何にも知らずに振り回されてかわいそうだし、ヒーローだとか言って最後には死ぬ羽目になった高校の同級生もちょっと落ち着けよと思う。福祉職としては、現実には機能してないのかもしれず頼りなくて申し訳ないが、もう少し行政なり周りの大人なりに適切に頼ってくれないか…と思う…。

原作が舞台というのを知って、「舞台ならわかる」と思ってしまった。舞台ならあのわざとらしさ、大仰さが成立する気がする。
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