市子のaのネタバレレビュー・内容・結末

最初と最後で涙の意味の違いに気付かされる。両方の見方ができる演技力の高さがさすがです。

関係者の視点から過去の市子を見ていくことで、謎が解きほぐされていく構造になっており、ストーリーとしても単純に面白い。

長谷川くんの目線で市子を追って行くからこそ、「おっとりと優しいはずの市子に何があった？」「どんな辛い過去があるのだ？」と同情前提で見ていってしまったが、一つ一つの事象を追えば、容赦なく人を殺し、人を利用してもあっけらかんとしていて、水面下に強い狂気性を持っていることに気付かされる。
杉咲花さんの演技力で上手く前面に押し出さないことで、よりサイコパス性を感じます。

(恐らく)冬子と北くんを殺しておいて、鼻歌を歌って、夏の坂道をゆっくり歩く市子。周りは勝手に助けたいと思ってるけど、余裕で1人で生き抜ける彼女の強さを見せつけられた気がします。