サーフ

ミラーズ・クロッシングのサーフのレビュー・感想・評価

ミラーズ・クロッシング(1990年製作の映画)
3.7
久々のコーエン兄弟作品鑑賞。コーエン兄弟作品はこの「ミラーズ・クロッシング」で3本目。

これまで見たのが「ファーゴ」「ビッグ・リボウスキ」の2本でどちらとも何とも形容しがたい独特な雰囲気を持っていて、シリアスなのか…ユルいのか…よくわからないあの感じがクセになっていたが、この作品は割と硬派。

主人公がギャングの抗争に巻き込まれるストーリーだけど、劇中とにかく印象的だったのがギャング抗争の当事者の剥き出しになった欲深さ。
権力闘争の為、自己保身の為に自分の心の内を剥き出しにして行動する彼らの愚かさ。その愚かさが故の行動がどんどんとドツボにハマっていってしまうのは彼らにとっては悲劇だけど視聴者にとってはある種喜劇的でもある。

主人公もハードボイルドなキャラクターで通しているけれど行動の行き当たりばったりな感じとか随所に人間としての弱さを感じるシーンがあって、ギャングとしての外面とその中に潜む一人の弱い人間という描かれ方がこの映画で描かれる「人間」を代表しているように感じた。
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