ラグナロクの足音

彼方のうたのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

彼方のうた(2023年製作の映画)
3.5
やはりSF映画監督なんだなと。宇宙人(喪失したひと)が社会に溶け込もうとする話にしか見えんのだ。シークエンスの繋ぎ目に深い深いキャズムがあることによって鑑賞者はその谷間に潜む可能性に頭を巡らざる負えない。作品中にも引用されていた濱口竜介監督が徹底的なテキスト至上主義であるならばこの監督は現場主義だ。演じる人たちの空気感をそのまま作品に転用する。たとえ伝えるはずのストーリーが破綻しかけても。そこに俳句的な美しさを感じた。
ラグナロクの足音

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