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アキレスと亀のxoのレビュー・感想・評価

アキレスと亀(2008年製作の映画)
3.3
序盤はどうかと思ったけど、最終的には、見る価値が大いにある作品だと感じた。

伝記調の作劇の序盤は、各所のぎこちなさが目立つ。子役の演技の下手さが痛いところ。後の展開に大いに絡んでくる、周囲の評価でのぼせちゃって…なところがちっともそう見えていなかったり。
大筋で何を表現したいのかは明らかなんだけど、それを具体的に描写するにあたって、不自然さのが前景化してしまっている印象。

ただ、中盤以降、特にたけしが登場してからが良い。
そこで展開される"アート論"はすごく本質的な問いかけ。
芸術の良し悪しとは? その価値は誰がどう決めるの?
偶発性や非作為性をどう評価するの?
そもそも芸術とはなんのために存在するの?
最終的にはすべてに回答が出されるわけではないものの、具体的な描写とともに、こちら側に考えるきっかけを与えてくれる。

たけしが出てきてからは、それまでの内省的な人物像から明らかに人柄が変わってんだけど、それもご愛嬌かな、と思える佳作。
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