xoさんの映画レビュー・感想・評価

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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.3

SHE SAIDで描かれるワインスタインの件とも、ジャニーズ問題ともかなり重なるところがあるのがわかる。

巨大権力と強大な権力者。ターゲットはみな未成熟な"新人"たち。神と信者という関係性。
洗脳や
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大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)

3.5

半魚人が襲ってきて人間が対峙する話。
だけど、明らかにそういう風には描いていない。

ヒロイン女性のふるまいを真似るよう遊泳する半魚人。そこでの切ない様子や表情、つぶらな瞳。あれで印象が反転する。以降
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

2.3

雰囲気にノレるか否かが大きい映画だと思う。
これといったドラマは描かれない。父親である主人公と11歳の娘とのひとときのバカンス。交流の様子が写実的なタッチで描かれる。
いかにもA24って感じな"日常を
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ソドムの市(1975年製作の映画)

3.5

センセーショナルな内容であるものの作風はいたってB級。良い意味で見やすい。ダークコメディ。

嗜虐的なシーンが続くものの、痛みがリアルに伝わってくるかというと、露悪的な趣向のほうが強め。ジョン・ウォー
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最後まで行く(2014年製作の映画)

3.5

次々と刺激が足されていくジェットコースターのような面白さ。
前半の展開がとりわけ楽しい。ひとつ嘘をつくとそれを誤魔化すため別の嘘をつき、事態が雪だるま式に悪化していく。
トイレでの攻防のとことか、韓国
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ネットワーク(1976年製作の映画)

2.5

テーマは今の世の中とも大いに通ずるもの。
メディアの商業性と公益性のバランス。倫理の問題。興味深い視点がある。

映画作品としての面白味には欠ける印象。ディストピア物としてもコメディとしても弱い。
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.0

ものすごく好み。徹底的にドライなムード。北野武の初期作品群や「ブルータル・ジャスティス」を想起したり。
物語はいたってシンプル。追う者と追われる者、そこに絡んでくる第三者。
主人公も敵も口数少なく、武
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女王陛下の戦士(1977年製作の映画)

2.0

若者たちがそれぞれの形で戦場に巻き込まれていく様子を描いている。英国に逃げドイツに対抗しようとする者、ナチスに傾倒する者、仲間を裏切る者。群像劇風ではあるものの、彼らの友情や葛藤や孤独等内面にフォーカ>>続きを読む

はりぼて(2020年製作の映画)

3.5

人間の愚かさを描いた作品。政治に興味があろうがなかろうが、どういった思想を持っていようがいなかろうが関係なく面白く見れるし、考えさせられるだけの材料を残してくれる。

腐敗ここに極まれりといった感じ。
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.5

見ている間や見た直後は困惑が強い。でも、考えれば考えるほどにすごい映画だと思わされる。

映画全体を貫いているテーマは権力の勾配、強者と弱者の対比。そこにアーティストとアートの関係性、キャンセルカルチ
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.8

最初から最後まで、一欠片の甘さもカタルシスもない。胸糞悪さでいうと屈指。でも、心から見て良かった。
去年の「ニューオーダー」に通ずるものを感じた。

いわゆるシリアルキラー物。犯人である男の殺害の様子
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.3

人間関係におけるコミュニケーションの機微を愉しむ映画。
全体を通して面白いというよりは、部分部分のシーンの味わいが魅力的。

この監督はささいな言動、仕草、表情の中に不穏なニュアンスを潜ませるのがうま
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

スリリングでありながらとても味わい深さのある映画。
2023年においても切実に響く問題意識と視点の数々。複雑さに複雑さが重なっていき頭を抱えたくなる。
登場人物たちはみな善人でもなければ悪人でもない。
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

2.0

良くも悪くも中学生が考えて作ったような無邪気さが感じられる。チャカチャカした編集といい、各シーンの情報密度の濃さといい、今までに見たことのないようなものが見れるし、ユニークではある。
ミュージックビデ
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.5

「理想の世界」を描こうとしているんだと思った。
つくづく思うのは、子どもは地域が育てるってこと。社会性と無縁でいられるのは子どもの頃だけ。社会を意識しだしたとき、本来あった無限の可能性に蓋がされてしま
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.0

凄惨な描写の有無を除けば、「別れる決心」と通ずるところが多いと感じた。心象風景、超現実的な映像、省略表現。

タコの踊り食いや、ペンチでの抜歯など、これまで見たことのないような類のショッキングな描写が
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チャンス(1979年製作の映画)

2.5

ピーター・セラーズ演じる主人公が、生涯を暮らしていた住処を飛び出し、娑婆に出てひとつひとつの新しいことを経験していく。レニー・エイブラハムソン「ルーム」を想起したり。
生まれてこの方、情報源といったら
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

3.5

「カッコーの巣の上で」「ショーシャンクの空に」は苦手だけど、本作はとても好き。
物語の展開は両作と重なる。でも、表現されているフィーリングが全然違う。
まったく甘くなければ、偽善的なところもない。
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へんしんっ!(2020年製作の映画)

2.0

うーん、、単にざっと撮って出しただけなように見える。
ドキュメンタリーとしては散漫で、焦点がぼけている印象。
障害者に対する理解が進むような内容かというと、それにしては新たな気づきが少ない。

映画的
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

良くも悪くも安定のイルミネーション。スラップスティックコメディ。退屈する暇もない密度で駆け抜ける92分。

物語は特にどうってこともなく、今回はマリオのイントロダクションって感じ。"お馴染みの〜"を次
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

1.5

中学生が考えた「格好良い映画」でしかないと感じた。

露悪的であることが目的化している印象。美女とエロ、ドラッグ、ゴア、嘔吐。記号としての描写が目につくし、気を衒った撮影技法の数々も鼻につく。

ドラ
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.5

この監督のポップな求心力はすごいと思う。若干26歳で撮ったとは思えないくらい、地に足がつきながらも、スタイリッシュで心奪われる(エモい)映像や場面の数々。キュートなシーンがたくさん。ポップ音楽の使い方>>続きを読む

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.0

具体的な死体処理の手付きを見せてくれるとこなんかは「青春の殺人者」を大いに想起したけど、こっちは思いっきりカラッとしたブラック・コメディ。
冒頭から、猪瀬直樹ばりにしれっとボディタッチの度が過ぎていく
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.5

アメリカの田舎に住む人々の暮らしを活写。夢とか希望とかって言葉は空疎に響くような、その日暮らしの連続でしかない日常。その生々しさがよく伝わってくる。

ここまで、良い人がいないどころか良い行いすら出て
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

とても硬派な作り。調査報道の過程を丹念に描くことに焦点が当たっている。
なんか意識高い系な、リベラルな人以外食いつかなさそうな宣伝の感じが勿体無いと思う。#metooを強調しなくても良かったような。。
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.2

いろんなことが起こる。解決することなんて少ない。でも、誰かとのささやかな関わりによって、人生は広がっていく。そしてまた、全く新しい一日がはじまる。。

優美な色調の画面づくり、味わい深い会話やシーンの
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マルコムX(1992年製作の映画)

4.0

202分があっという間とは言わないまでも、退屈する瞬間がない。
一人の人間の一代記としてとても面白い。物語の筋はわかりやすく、ドラマとして納得しやすい流れがある。悪さに憧れた若年期、刑務所に入ると人生
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私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

3.3

アメリカで起こっていることに限って話が展開されていながら、それに限らない、一般的な「差別」の背景や原因、唯一にも思える解決策のためのヒントを示している作品。

見るのに身構えてしまう人もいそうだけど、
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.0

この作品の最大の魅力は、ぬるま湯の心地良さ。わちゃわちゃした二人のやり取り。まるで実在しているかのような空気感の会話の楽しさ。2作目にして、そこを築き上げてしまった阪元監督らはすごいと思う。

今回は
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.8

男ばかりの世界、モーターレース、組織と個人の利害対立と葛藤、会話劇中心の作劇。
セッティングとしては渋い。でも喚起されるエモーションの源は、その大小の違いはあれど、どれもとてもシンプル。

根底にある
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

1.8

率直に言ってつまらなかった。。
物語が動的に動くこともなく、ただ一室での会話が人を代えて繰り返される。
それも戯曲的というか、同じようなやり取りを感傷的にぐだぐだやっているばかり。

ストーリーはほと
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SPETTERS/スペッターズ(1980年製作の映画)

4.0

ヴァーホーヴェンの他作もそうなんだけど、見たことのない表現がたくさんあって楽しい。"どこかで見たような何か"がない。

胸にボールを入れていたのを茶化される女子、下半身を撫でてくる男に股間に忍ばせたマ
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ルトガー・ハウアー/危険な愛(1973年製作の映画)

3.5

ヴァーホーヴェンの諸作の中でもピュアな恋愛映画、しかも二人の関係性とその変化のみに焦点をあてて描いているという意味では唯一無二の作品。
中盤までは「勝手にしやがれ」を見ているかのようだった。

身も蓋
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.8

エア・ジョーダンが当たり前に存在する現在、そもそも結末はわかっている。それでもその実現可否をゴールに設定し、2時間近くの尺をもたせられていることからしてすごい。
1984年当時の具体的な事物だったりポ
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.8

ほんのささやかな幸せのため、奔走し続ける姉弟の姿を描く。「ロゼッタ」のように車道を何度も横断したり、移動のシーンがひたすら多いのが印象的。
終始淡々としたタッチながら、綱渡りで進み続ける二人のあり方に
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徳川セックス禁止令 色情大名(1972年製作の映画)

2.5

本作が50年以上前に生まれたということを考えると、先見性に驚かされる。時代は違えど人間の営みや考えることは変わらない。セックス中、「死ぬ」「イく」と叫ぶ女性が珍しがられ、「どこに行くの?」とネタにされ>>続きを読む

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