kzyさんの映画レビュー・感想・評価

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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.0

映画には特定の人物に感情移入して楽しむものと、起こっている状況を客観視点から見下ろして楽しむものとがあるけど、本作はどちらの意味でも消化不良。
ストーリーはサブプロットにあたるものがなく、メインストー
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若さと馬鹿さ(2019年製作の映画)

3.2

「若さ」が奔放で破天荒なものというより、焦燥感だったり不全感だったりの象徴であったのが良かった。共感を抱いた。

冒頭、男女がお風呂でアンダーヘアを剃り合うシーンから始まり、生々しい空気を纏った会話が
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デュエリスト/決闘者(1977年製作の映画)

2.8

バリー・リンドンを想起させる格調高い映像。デビュー作にして画作りは完成されているし、安っぽさを感じるところは無い。

しょうもないことがきっかけで、主人公とライバルが何度も決闘をし続ける。「名誉のため
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.5

ミニマムな設定で、究極に悪趣味な方向に振りきっている。
人をいたぶることが目的の若者たちであり、この映画。

バケーション中の一家を訪れる若者たちとのやり取りにおける感情の流れ。最初は「なんかイラつか
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

2.8

あらすじを読まないで見たほうが良い。というか、たった21分しかないのに色々書きすぎな気が。。

個人的には、作品の本筋とも違うけど"応報感情"というものについて考えさせられた。死刑制度にも思いを巡らせ
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

2.8

年齢や性別、国籍、言語を超えた交流によって抱えた傷を癒やし合い、一歩前に進むっていう極めて古典的な話。

親子関係のない老人と少年の交流という点でグラン・トリノを念頭に置いて見たんだけど、ぜんぜん違っ
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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画(2020年製作の映画)

1.7

前作にあったエクストリームな表現がないのは仕方ないにせよ、その分、強い党派性とイデオロギッシュな風刺が前景化。

ポリコレや公序良俗に反さない(人に迷惑をかけたり困らせたりしない)ことを踏まえた表現を
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ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(2006年製作の映画)

4.0

2022年、ディズニープラスで生の●●●を見られるという奇跡。。
本作全体が奇跡の映像集。今だったら実現できないものに満ちている。

ポリコレの真逆。だけどいまの世の中にはこれも必要だと思う。メタ視点
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ロゼッタ(1999年製作の映画)

3.5

18歳の少女が、生きることに奔走する様子が描かれる。
ドキュメンタリー的な質感。まるで実際にこういう人が世界にいる息遣いが聞こえてくるよう。音楽もないなか、終始彼女に寄り添った視点で、日々の営みの所作
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

4.0

改めてギャスパー・ノエの作品は唯一無二の「体験」だと思わされた。

「Climax」に続き、ドラッグの話。だけどドラッグそのものというよりそれに類する体験がテーマ。苦痛の中の恍惚、苦しみから生まれる表
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音楽(2019年製作の映画)

3.0

感情を上げたり下げたりさせられない、牧歌的な空気が心地良い。
予測外の展開や描写が多く、類型的だったり既存のなにかに収まったりしていない内容。音楽の良さだとか初期衝動がどうとか、そういう青臭さがなく、
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.8

「わたしは、ダニエル・ブレイク」と同じテーマだけどよりシリアスで、問題を告発する意識が強い。
前作同様カラッとしたムードで始まったかと思ったら、後半にいくほどハードな展開に。
労働者階級の夫婦。真面目
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.8

労働者階級の人々の日々の営みを、誇張するでもなく描写。皮肉とユーモアを込めたコメディ調で、カラッとしていて非常に見やすい。明るい昼間のシーンが多いのもその一因かな。

生活の描写って意味では「ノマドラ
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BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

1.5

虚仮威し的というか、思わせぶりだったり演出的な手数は多いけど、中身に乏しい。表層的な。手持ちカメラグラグラ。極端に台詞の少ない作劇。断片的。ミュージックビデオ的。

塚本晋也の朴訥な表情と素人臭い演技
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ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

2.8

ムーン・リバーに乗せた冒頭のシーンがピークだと思う。
自らの置かれた辛い環境に目を向けないよう、洗練されたスター像を演じる様子。本来は、演技じゃなくこうありたかったという憧れの自分。
すべてわかったう
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

2.8

対象物を観察しているようで、観察されてもいたことに気づくシーン。人を見ているとき同時に見られているという(当たり前なんだけど)ことに意識を向けさせられ、ハッとさせられた。

すべてのカットの細部に至る
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アス(2019年製作の映画)

3.0

敵との攻防がひたすら繰り返される。第一ステージは自宅、第二ステージは隣人宅、第三ステージは屋外というふうにわかりやすく舞台を変えて。

解釈の幅がある作品ではあるけど、単純に面白い。映画館でみたらおそ
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海を駆ける(2018年製作の映画)

3.3

超現実的な設定や現象を用いながら、その曖昧さに頼らないストーリーテリング。

本作で描かれるのは自然の理不尽さ、非合理性。
ディーン・フジオカの正体は謎のまま。 水のメタファーで、行動はいたって気まぐ
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ほとりの朔子(2013年製作の映画)

3.5

この監督の場合、風呂敷を広げすぎないミニマムな世界のが良いのかもなって思った。
超現実的(抽象的)なものに頼らず、地に足をつけた世界のなかでどう話を展開するかっていう。

本作は何を考えているのかわか
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.2

半端なく面白い。この上なく大きなスケールの物語を描き、現実社会に対する問題提起と皮肉が返される。
ネットフリックスすごい。超巨大資本をもとに、ちゃんとそれを社会に還元しようという志を感じる。

最初は
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.0

舞台は児童養護施設。大人の利己的な振る舞いによって、理不尽な運命を辿った子どもたちのお話。

対立していた二人が、お互いの"傷"を接点に仲良くなるってのはなんとも切ない。。

「出て行かないよ」「出て
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アメリ(2001年製作の映画)

3.5

映画のワンダーランドって感じ。"世界は楽しいことで満ちている"を地で行くような。

ものすごく動的で、情報量と手数の多い映像/音楽的な演出の数々。その意味では岩井俊二を想起したり。

楽しいだけじゃな
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さようなら(2015年製作の映画)

2.0

日本人が難民になったら、って視点にはハッとさせられる。原発がある以上、ない話じゃないと思う。
神保哲生氏の原発周辺地レポート(https://youtu.be/yp9iJ3pPuL8)を想起。
自然は
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あ・く・あ ふたりだけの部屋(2021年製作の映画)

1.5

序盤は意外と良いと思った。主人公の性的な妄想があふれる感じや、男女で閉じ込められているときのドキドキ感。

ただ中盤以降の展開に白けてしまった。AV的というか、男の願望に忠実に動いていて人間味を欠いて
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.5

上質な文芸作品を堪能したような感覚。

3時間とは思えないし、ずっと観ていたい。
静謐で品のある映像、音楽、物語、台詞。
エモさとは無縁。カタルシスや腑に落ちる感覚もない。薄味ではある。岡田将生に関す
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偶然と想像(2021年製作の映画)

3.2

人生は瞬間瞬間の選択によって運命が変わっていくわけだけど、その偶然ゆえの面白さが描かれた3編。
「驚きと戸惑いの映画体験」はまさにそう。鑑賞者が追いついたり先回りしたりできない作劇。少し先の展開ですら
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ガールフッド(2014年製作の映画)

3.5

いろんな視点から"青春"の現実が切り取られている。
仲間でいることの連帯意識や共犯意識の楽しさ。それと裏腹にある閉鎖性と同調圧力。

家庭環境や人間関係って大事だよね。
真面目な子が非行に走るのは、私
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劇場版 テレクラキャノンボール2013(2014年製作の映画)

2.7

男子学生が悪ふざけして騒いでる様子を、同じ目線で収めたような映像。内輪ノリ感が強い。
序盤、ルールなるものを説明されてもポイントだの順位だの提示されても話の推進力にはならんし、各人のことをよく知ってで
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ゾーヤ 戦場に消えた18歳の少女兵士(2021年製作の映画)

3.7

すごく良い作品だから、多くの人に観られて欲しい。
WOWOWは、こうした独占配信のコンテンツの存在を積極的にアピールすべきだと思う。
これもだけど、セリーヌ・シアマやクロエ・ジャオの過去作とか、高い志
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ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

2.8

「自分なんて価値がない人間」だと信じ込まされる社会。日本もなんら変わりがない。。

作中に台詞としてあるけど、誰もに幸せになる権利はある。
経済的格差の是正はもちろんのこと、社会に「居場所」を感じられ
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

2.8

相変わらずのギャスパー・ノエ。こんなの他所では決して見られない。
カオスとはこのこと。もしも社会性を失った人間が欲望のまま行動するとこうなりますよ、って映像。

ドラッグまでいかずとも酩酊の経験がある
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

2.2

経験って大事だよな。人は自らの経験からじゃないと成長しない。
子どもができたなら、安全な暮らしよりも危険な冒険をさせてあげられるようになりたい。そのバランスは難しいんだけど。

今の子たちってどんなな
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.5

間口の広いエンターテインメント。序盤、中盤、後半にそれぞれ別の種類の面白さがある。
序盤は、社会システムを合法的にハックした主人公の振る舞いを露悪性たっぷりに描写。
中盤、主人公と対峙する存在が現れる
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スラローム 少女の凍てつく心(2020年製作の映画)

1.8

悪い意味で予想を裏切られた作品。
おそらく父権主義や洗脳のような関係の不健全さだったり、#metooメッセージだったりを提示したかったんだと思う。ただそうした意図をはっきり汲み取れるように示されていな
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渚の恋人たち(2016年製作の映画)

3.0

大九明子監督の未見作を鑑賞。

春夏秋冬の移り変わりと共に、恋人たちの心境と関係が変化していく様子が描かれる。
ミュージックビデオ的。筋の通った物語を描くというより、情緒を揺さぶるシーンの連なりで構成
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アレックス(2002年製作の映画)

4.0

こんな内容なのに力をもらった気分。変な話だけど、ちゃんと生きようと思った。。
目を背けたくなるまでの残酷さを体験させられ、心に傷がつけられる。
決して露悪的なものを描くことが目的になっていないと思う。
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