ノラネコの呑んで観るシネマ

青春ジャック止められるか、俺たちを2のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.5
若松孝二が作った映画館、シネマスコーレに集った人々の群像劇。
ぶっちゃけ、前作よりも遥かに面白い。
前作は主人公の吉積めぐみの人物像を、作り手自身も把握出来ていないのではと感じた。
全体が表層的に、“なんとなく”進んでいってしまった印象。
対してこちらは、監督・脚本の井上淳一の自伝的作品だ。
映画の入り口では東出昌大演じる支配人の木全純治の話なのだが、映画が進むにつれて映画監督志望の高校生、井上淳一の物語になってゆく。
また異常な行動力を見せる淳一と、映画を撮りたくても今一歩が踏み出せない芋生悠演じる金本法子が青春のコントラストを形成し、重層的な深みも増した。
前作ではコスプレにしか見えなかった井浦新の若松孝二も、こっちでは絶妙に世界観にフィットしてるのだから面白い。
この辺りは、描きたい対象をどれだけ掴めているか?の差だろうか。
やはり自伝ゆえに、把握力は圧倒的に強いよな。
ところで、あの美加理さんが河合塾のPR映画に出てたなんて知らなかったよw
エンドクレジットで、貴重な本物が流れます。