上海十月

剣の上海十月のレビュー・感想・評価

(1964年製作の映画)
3.8
かなり不思議な映画だ。大学の剣道部を使って三島由紀夫自身を表現した映画だ。市川雷蔵の微笑が当時の世相を皮肉っているように見える。純粋まっすぐな主人公と世情が合わない。音楽も妙な感じだし、監督をなぜ三隅研次なのか?時代劇の剣だけを妙に舐めまわすように撮る監督を採用している。正直剣道の稽古シーンや模擬戦は、迫力が感じられない。そして三島の最後を暗示するかのラストそして、何もかも唐突に主人公を美化しまくって終わる。シュールな映画だ。ある意味三島由紀夫を最も表現した映画ではないだろうか。
上海十月

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