ミサホ

ぼくを葬る(おくる)のミサホのレビュー・感想・評価

ぼくを葬る(おくる)(2005年製作の映画)
3.7
 DVD持っておいて、数年ごとに観返したいなぁと思う印象的な作品。

 2022年5月、十数年振りに再鑑賞しました。90分ほどの映画だけれど、内容は非常に濃くて、見終わったあとも、しばらく尾を引きました。

主人公のロマンはゲイ。フォトグラファーとして活躍しているが、働いていない恋人サシャと一緒に住んでいる。(たぶん転がり込んできた)そんなロマンはガンで余命3ヶ月と宣告され、その3ヶ月をどう過ごすか…というストーリー。

家族で唯一、心を許しているのが父親。ドライにも見えるし、思いっきり甘えているようにも見える。しかし、親の目の前で、コカイン買うんだね…しかも、お父さんもやいやい言わない。

いよいよ死期も迫ってきた頃、一度は断った、ある女性からの「子どもが欲しいから、協力してほしい」という依頼を実行する。

この女性をカーラブルーニのお姉さん(きれい)が演じている。

また、恋人のサシャには病気を隠して一方的に別れを告げるシーンは、彼なりの「頼むから自立してくれ」という強い思いが込められたものだった。

その思いが伝わったことが最後の方で分かって、ヨシヨシと思ったけれど、最後にもう一度寝たいという、ロマンの思いは無惨にも打ち砕かれた…。

ラストは、『ベニスに死す』を彷彿とさせるシーンでしたね。
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