みやっち

エクソシスト 信じる者のみやっちのレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
2.7
かなり厳しい点を付けた。
名作の続編だけど正直これオリジナルを
越えてやろうなんて熱い思いがないんだよ。
全部中途半端。第1作目ありきで最初から
恐怖に「下駄をはかせた」状態の観客を対象
として見てるよな?

作品全体がライトなノリで「悪魔付き」の
深刻さがとっても軽い感じで描写されてて
「さぁ~どう怖がらせてくれるの?」という
観客の欲望は肩透かしを食うことになった。

1作目の良さとは?
陰鬱な空気と愛娘がどんどん壊れていく壮絶さ
そして吐く息が凍るほどの空気の中でエクソシスト
と悪魔の会話を通して悪魔の狡猾さと憑りつかれる
恐怖の重厚な波状攻撃で観客も神父のように
ぐったりするほどの見応えがあった。

しかし、本作には決定的に「重み」がないのよ(笑)
ハリウッドスタイルの限界というか「家族愛」や
黒人優先のポリコレ臭がプンプンしており、違う
そうじゃない、おれたちは恐怖を求めていて
「ほっこり親子愛」なんかどうでもいいのだ!
と見終わった後素直に思ってしまった。
肝心の除霊シーンが薄くて内容が乏しいので1作目の
あの重苦しい空気感は見る影もない。
ブサイクな少女がもがもが言いながら大したポルタ―
ガイストも起きないしあの黒人呪術師みたいな
オバハンもなんか中途半端な能力だし(笑)
そもそも除霊する場所が自宅の狭いリビングって
時点で「おいおい大丈夫か?」と1作目ファンは感じ
るだろう。「この家潰れて焼けてしまうのでは?」
と期待したがこじんまり除霊完了。
悪魔さん暖炉に吸い込まれて消失って(笑)

空中浮揚も「よくある演出」なんだけど「死霊の
はらわたライジング」の冒頭シーンのような象徴的な
演出もなく「はいはい、浮いとくシーンも入れましたよ」
というとってつけた感しか残らない。
お約束シーンが多いけど「怖くはない」のだ。
もう過去の名作の名前だけ使って創造性のない駄作
でガッカリさせられるのにはウンザリ。
唯一の収穫はリーガン親子の再会を見届けたということか。
みやっち

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