このレビューはネタバレを含みます
ずっと楽しみにしていた本作。淡々と山の生活を映すだけなのに、カットの魅せ方と音楽でここまで映画的になる。「どこからが映画なのか」の境界線を探しているみたいな前半。後半、グワっと映画的な展開になるんだけど、なんと、収束しない。緊張感が最高になったところで終わってしまう。ぶん殴られて終わり。明確な物語なんてなくて、映画ってなんなのか、となる。こんな構成を体感したのは初めて…映画館の外に放り出されて、数十分は放心状態。
山の荒々しさ、朴訥さを構造にも落とし込んだような映画。全体を通して静謐と緊張感があり、日本の持つ内的なエネルギー、エッジみたいなものを感じました。そして、監督の観客に委ねる範囲の広さ。すごい作品…
