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悪は存在しないのsのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

私は多分職務上川上にいる人間なんだけど、私たちが「おもしろいから」「格好良いから」で軽率に思いついたことが、多分想像し得ない場所で人の苦労を生んだり搾取してるなと思うことがある それをどこまで想像出来てるのか、時々考える。でもそれで保ててしまっている組織に私もいて、そこでご飯を食べている。そういう自分に気持ち悪くなることは全然ある 「お前らもそれでメシ食ってるじゃん」という台詞に対しては「そんなメシなら食わなくていい!辞めちまえ!」と声を掛けたくなりましたが…
ビジネス論と画面の中だけで作られたものの想像力には限界がある。現地に行け、体感しろ、よく聞くけど実際やってる人なんてここで描かれてる通りほぼいない。それをやったとして、ものすごく絶妙なバランスで保たれているものに土足で踏み入っている前提を欠いてはいけない それは何を始めるにしてもそう 新しいことをするというのは多分常にそういうことなんじゃないか

…という自覚と自分の立場を猛烈に突きつけられた感覚になり、自分の中ではかなりお仕事映画の後味になってしまったので、いろんなことを見逃している気がします

いい意味でとても長く感じた。長回し、対話の長さ、106分の中であれをやってるのすごく贅沢な尺の使い方だなと思った
共同作業って最大の対話なのかもしれない
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