シビアな映画だった。
日本人が直面することの少ない難民問題。アフリカやアフガン、シリアなどから「ベラルーシは安全」とだまされてやって来た人たちが、ベラルーシとポーランドの国境を挟んで両国の押し付け合いに遭い、本人たちが自覚することなく「武器」(ベラルーシがEUを混乱させる武器)にされている。
映画は難民たちの悲哀、国境警備隊員の葛藤、体を張って難民支援を試みる活動家の奮闘を描く。難民(と遺体)の理不尽極まりない押し付け合いは、結局のところベラルーシやロシアの為政者の作戦の一環だ。なんともやるせない。