WAR太

DOGMAN ドッグマンのWAR太のレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.8
愛と暴力の切なくも強い男の物語。

まずね、日本のキャッチコピー「規格外のダークヒーロー誕生」のセンスの無さ。誰が考えたんだ。
これじゃヒーロー映画だと思って見に行く人も出てしまうと思うくらい「ヒーロー」って言葉の使い方間違っていると思います。

確かにダークヒーロー要素はありましたが主軸はそこじゃねぇだろう。
かつて闘犬を生業にしていた父親に虐待され半身不随になってしまった男が唯一の味方だった犬と現実にゆがんだ向き合い方をしていくサスペンスでもホラーでもないけれど不気味な物語です。
要素としては暗い映像が続くし暴力的な描写もありますが語り口の主人公の男が悲観せずまた性格も歪んでいない。むしろ真っすぐだから変な違和感がずっと引っ掛かったまま物語が進んでいます。
本来悲観するべきことが悲観できていないから逆に恐ろしいんですよね。

目の前で人が死のうが金持ちの家から空き巣しようが悪いと思っていない。全て犬がやっているから恐らく死刑にもならない。なんなら中々捕まらないし捕まっても犬を使って逃げれるから結構現代司法下においてはこの男最強なのではと思います。

考えさせられる映画は結構好きですがこの映画に関しては考えるだけ無駄になってしまうと言うか・・

もっと細かく長く見たい映画だなと思いました。
ディレクターズカット版とか出して欲しいですね。
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