るか

DOGMAN ドッグマンのるかのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.6
犬が家族の半身不随の女装家とかいう個性が爆発した主人公の人生を辿る今作。家父長制批判だったり、芸術への賛美、『ジョーカー』を彷彿とさせるフリークスのシニカルな人生観、富裕層批判、神への愛などなど個々の小話に含まれてる話が壮大すぎてそれ1個で作品がひとつ作れてしまいそう。取って付けたようなギャングとの戦いは果たして必要だったのか。ホームアローンのごとく殺されて行ってなんだか不憫だった笑。
このように全体的にとっ散らかった作品ではあったものの、決してつまらなくはなかった。ひとつひとつの彼のライフストーリーは非常に魅力的だし、初恋の女優との話はあとひと押しされたら泣いてた。(そのひと押しが無いのが今作の特徴でもあるのだが)
犬もずっと可愛いしCGではなく本物の犬を使っていたのも好印象。『落下の解剖学』のメッシくんと言い、物凄い調教師が出てきたのかもしれないな。
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