クリーム

DOGMAN ドッグマンのクリームのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0
「アンチヴァイラル」から、好きなケイレブ·ランドリー·ジョーンズがやっぱり観たくて…。観に行って良かったです。ケイレブにピッタリの悲しい過去を背負った青年役は安定の上手さ。本作では、ドラグクィーンとしてステージに立つ為の女装姿もあって、そちらも良かったです。犬達もびっくりする程、上手く撮れていました。内容は、青年と犬達の堅い絆が描かれ、犬って良いなぁと改めて思いました。リアリティを欠く部分があるものの面白かったです。

ある夜、トラックが警官に止められ、運転席には血だらけの女装した男、そして荷台に多数の犬達が乗せられていた。警察は、 事実聴取の為、精神科医のエヴリンを呼びます。男の名はダグラスと言い、自分の半生を彼女に語り始めるのでした。



ネタバレ↓



ダグは少年時代、闘犬で稼ぐ暴力的な父と兄に虐待され、犬小屋での生活を強いられます。母は家を出て行き、ある日、子犬を庇って父に撃たれ、小指を失い、脊髄を損傷。下半身が麻痺して歩けなくなります。 ダグは血まみれの自分の指を一頭の犬に警察に持って行かせます。そして、父と兄は逮捕された。その後、父は自殺、ダグは施設に入ります。
そこで俳優志望のサルマと出会い、演劇を教わり、彼女に恋をします。スターになったサルマに合いに行きますが、すでに夫がいて、妊娠していた。ダグは失恋します。
社会に出たダグはドラァグクイーンのショーで、エディット·ピアフ等を口パクで演じます。それから毎週金曜に舞台に上がります。その傍ら、犬の保護施設を管理し生活していました。
ある日、その施設が資金難で閉鎖されます。ダグは犬達と廃墟に移り住みますが、資金がなく、犬を使い資産家の貴金属を盗み生活をします。防犯カメラの映像から足が付き保険屋が乗り込みますが、犬達と始末します。また、前半で懲らしめたギャングのボスの報復も犬達を使い彼等を皆殺しにします。
そして、冒頭のシーンに繋がり、事実聴取が終わる頃、犬達が、警官から鍵を奪いダグを救い出します。ダグは何とか歩き、教会の十字架の影の前で倒れ、犬達が彼に群がるのでした。

ダグは、犬達がいたから、失恋や試練にも耐えられたと思います。彼等は純粋にダグを慕い、ダグは彼等を守る。犬とダグの関係性がピュアで美しいだけに社会が醜く映りました。窃盗に殺人と犯罪行為だけど、ダグが彼等と自分を守る為に他に方法があったのだろうか?その切ない様子をケイレブがバッチリ演じていたので、私はそれだけで満足。劇中、エディット·ピアフやマレーネ·ディートリッヒ、マリリン·モンローそっくりの扮装で、名曲を口パクで歌う姿も中々、素敵でした。観に行って良かったです♪︎
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