リュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。って事はこの事件の元になるような事件があったってのが衝撃で驚きを隠せない。
ある夜、警察に止められた1台のトラック。運転席には負傷し、女装をした男。荷台には十数匹のイヌ“ドッグマン”と呼ばれるその男は半生を語り始めた。犬小屋で育てられ、トラウマを抱えながらもイヌたちに助けられてきた男は、犯罪に手を染めていくが…。
もうケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技が圧巻でした。場面によって変化する表情が豊かで、特に犬に語りかけるシーンや、女装したシーンの表情が好きです。
彼と同じぐらい演技が凄かったのが、様々な種類の犬たち。まるでドッグマンの言葉を理解しているかのように行動し、脚の不自由な彼を守ります。ちょっとコミカルなシーンや残酷なシーンもあるけど、この犬たちの演技のおかげで引き締まった映画になったと思う。
ドッグマンの幼少期を回想するシーンで、父親と兄貴に人間以下の扱いをされるシーンは痛々しくて観るのが辛かったけど、ここでの犬たちとの出会いが後のドッグマンの土台となるんですね。あまりに酷い扱いに父親と兄貴に天罰が下りますようにって思いながら観てました。
盗みや殺しなどの犯罪を犯してるドッグマンやけど、両脚が麻痺し不幸の連鎖でどん底を味わった彼なりの生存の方法なんかなって感じた。ダークヒーローの匂いがプンプンするけど、人間臭さが全開で憎めないドッグマンでした。
