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ミニミニ大作戦のotomisanのレビュー・感想・評価

ミニミニ大作戦(1969年製作の映画)
4.0
 メディアに露出する犯罪王ブリッジャー。モリアーティ教授以来のこと。それもあろう事かトイレの中とあっておカンムリだろう。
 そうさせたチャーリーの馬鹿たれが持ちかける儲け話を冷静には受け取れないが、そこはやはり盗賊魂、なるほどイタリアから金塊ひと山掻っ攫って(非課税)女王陛下の御下でパッと使えば「英国病」もスッキリ(経済指標には表れないが)に違いない。

 この成り行きはモンティ・パイソン的。鼻薬たんまり効かせて看守一同を民営化すれば、支配階級にも拘らず陛下の行政の面汚しと刑務所長にも言いたい放題だ。
 チャーリーごときに侵入され易い刑務所なら、出て行き易い刑務所にしたらどうだ?近々「葬式」もあるのでな。

 この調子でやり居たい放題。クーパーのミニでトリノ市民を掻き分け掻き分け金塊ふところに大暴走、まんまと国境近くの山まで逃げおおせて、なんでなんでItalian Jobなもんかと思ったら、英伊両国の犯罪界のメンツをピッタリバランスとった終演でブックメーカーどもを呻らせただろう。ロンドンに戻れたら何が待っているか?

 待ってるといえば、マフィアもなにが起こるか待っていた。しょっぱなでミウラ一台を処分したのに強奪計画の奪取は未遂。さすがはレイト・イノベーター共、と容易にしっぽを掴ませないのをねっちり見張って山道にたんまり砂利を敷いておくだけでまんまと掛かるわ。
 まさか結末をカットされるとは思うまいが、名より実を取る裏街道の面々に一本取られそうな気がした。ちなみにイタリアの闇経済は大きすぎて計り知れずとのこと。「イタリア病」というのを聞かないのもそれだけ困ってないという事か。

 チャーリー他一同イタリアに亡命した方が身のためとも思えるが、これはまさしく実利以上にメンツの問題。犯罪王にクビ差し出しても脱モンティなおっかない仕事に振れてゆくのだろう。戻れたら。
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