ヴレア

ある閉ざされた雪の山荘でのヴレアのレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
2.4
原作を読んで、面白かったけど実写映画には向いてないような気がしてそんなに期待はしていませんでした。
その予想が当たり、原作との細かな違いも気になりコレジャナイ感が凄かったです。
そもそも結構荒唐無稽な内容かつ絵面的には地味なので活字で想像して読むのにはいいですが、映像で見せられてもいまいちですね。

タイトルにあるような本当に閉ざされた山荘が舞台ではなく、普通に外と連絡がとれる場所なのにある意味クローズドサークルを成立させてしまうというそのアイデアが秀逸で、特殊設定ミステリとしては多いに楽しめる作品だ。
ただ、原作ほど本格ミステリに全振りしていないのが痛い所で、原作ではクリスティの「そして誰もいなくなった」同様、登場人物がかなり追い詰められて行くという緊迫感がスリリングで面白かった。
しかし、本作ではその辺のネタバラシ含めあっさりと解決してしまうので、せっかくこれから盛り上がるという前に終わってしまい全然恐怖感とか感じられないのがとにかく残念だった。
状況説明の発表の仕方も映画的に派手にしたかったのは分かるけど、原作に比べて事細かに説明が多いしナレーションで語られるので全然想像の入り込む余地がなくて、そこも残念でした。

余談、今日は映画館に行くのが躊躇われるほどの吹雪で、かえって現実の方がそういう状況に近くて臨場感はありました。
ヴレア

ヴレア