コダック

ぼくは君たちを憎まないことにしたのコダックのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

テラスでワインに勝る武器はない。

アントワーヌの口から出る言葉のひとつひとつが、本当にその通りだなって思えて、とても胸に沁みた。
最愛の人を失った傷は癒えないし、毎日思い出して辛くなる。それでも前を向くしかないし、そのためにできることは憎むことではなく、残された人とともに幸せな時間を送ること。
ただ頭では分かっていてもその通りにするのは本当に難しい。幼い子どもがいればなおさら。本作は、アントワーヌが現実と理想のギャップに悩む姿まで描き切っているところが良い。
ラストシーン、エレーヌが空から微笑んでる気がして一緒に泣いてしまった。

アントワーヌのように傷つき、打ちのめされ、それでも苦悩と闘い続けている被害者家族や友人がたくさんいるんだろうなと思って、胸が締め付けられるような気持ちになった。