ぶみ

キラー・ナマケモノのぶみのレビュー・感想・評価

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)
3.0
もう「怠け者」なんて、言わせない!!

マシュー・グッドヒュー監督、リサ・アンバラバナール、シドニー・クレイヴン等の共演による動物パニック。
脅威の能力を持った殺人ナマケモノに襲われる人々の姿を描く。
主人公となる女子大生エミリーをアンバラバナール、ブリアナをクレイヴン、マディソンをオリビア・ルーリエ、エミリーにナマケモノを紹介したペット業者・オリヴァーをステファン・カピチッチが演じているが、正直知らないキャストばかり。
物語は、冒頭ジャングルに住むナマケモノのシーンでスタートするが、この主人公となるナマケモノの質感といい動きといい、ぬいぐるみ感全開。
ただ、それがB級作品にありがちな安っぽさに直結しているかというと、あながちそうでもなく、スタッフ陣のCGやVFXに頼ることのない実写への拘りがヒシヒシと伝わってくると同時に、ホラー的な怖さと、そこはかとなく漂うコメディ感のバランスが上手く取れているのではと感じたところ。
ただ、脚本自体はかなりガバガバで、物語が進むにつれ、ナマケモノがどんどん知能が高まっていくのにはもう笑うしかない反面、一応、大学生のカーストや際限のない承認欲求等、社会派的なネタを盛り込んでいるのは、この手の作品のあるあると言えるもの。
そんな、ガバガバで何でもありの設定で進行する中、最も気になったのは、エミリーが乗っている赤いフォード・マスタングを明らかにペダルに足が届いていないであろうに、どのようにして運転していたのかであり、ツッコむのは野暮だとは思いながらも、謎が深まった次第。
こんなキワモノ映画を全国のシネコンに配給するのは、エクストリームかアルバトロス・フィルムぐらいだろうと思っていたら、案の定見慣れた鳥のロゴが登場したため、やはりアルバトロスかと、一人ニヤついてしまったとともに、エクストリーム配給のピアース・ベロルゼイマー監督『キラーカブトガニ』に配慮して邦題の「キラー」と「ナマケモノ」の間に「・」を挿入したのかと勘繰ってしまった珍作。

シグマ、ラムダ、シータ!
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