茶碗むしと世界地図

キラー・ナマケモノの茶碗むしと世界地図のレビュー・感想・評価

キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)
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 2023年製作の動物パニック映画である。

 全体的に破綻しまくったどうしようもない作品で、すごくつまらない。なんというか、フィクションラインをアホみたいに上げると見ている人はいろいろどうでもよくなって一生懸命見るの諦めるということがよくわかる映画である(エンドロールがはじまった途端に席を立つ人がまあ多かった)。『コカイン・ベア』なんかとよく比べられているが、企画の考え方がそもそもまったく違うと思うので、比べるのもなぁ……と思ってしまう。
 アニマトロニクスで出来たナマケモノの「アルファ」は絶妙に愛らしいキャラクターとなっており、企画のキモはおそらくそこである。今の時代に80年代のノリを再現するというのはとくに珍しくはないが、クラフトマンシップをわざとものすごく前面に出してコンセプトを達成しようというのは悪くないと思う。陳腐なノリもそのまんまなので、本当に80年代の映画を見てるかのような感覚を得る。しかしながら、現代の観客のリテラシーを考えるとナメてるというような感じもあり、なんか実験映画に付き合わされてるみたいだなと思った。