茶碗むしと世界地図

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説の茶碗むしと世界地図のレビュー・感想・評価

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 1984年に公開されたハリソン・フォード主演「インディ・ジョーンズ」シリーズの2作目である。「午前十時の映画祭」で見た。

 わたしの映画原体験となる作品が今作であり、ついにスクリーンで見られるということで大変良い機会だった。おかげでわたしの批評精神は抵抗できずグニャグニャになってしまったが、ただ、気付いたこととして、今作のインディ(ハリソン・フォード)の行動はほかのシリーズ作品よりは比較的まともということがある。基本的にインディは考古学者のくせに遺跡の保全とかをまったくせずに秘宝だけに関心を持つような人間なのだが、今作ではインドの寒村から盗まれた聖なる石を取り返すという任務に奉仕している。聖櫃や聖杯と違って石に学術的な値打ちはないものの、結果として邪教集団を滅ぼしてさらわれた子供たちを解放し、村に安寧を取り戻すという全方位に明るいハッピーエンドをもたらしており、何よりもあのインディが秘宝をあるべき場所に返した上にけろっとしているなんてけっこう珍しいのではと思う。

 そしてわたしがこの映画を愛してやまないのは、ショート・ラウンド(キー・ホイ・クァン)がいるからである。子どもの頃、自分と同じようなアジア系の子どもが白人主人公のバディとして大活躍する姿にとにかく興奮したし、カッコよかった。こうして大画面で見られて良かったと思った。
 日本テレビ版の吹き替えに馴染みがあるので字幕版は初見だったが、ちょっと驚いたのはクライマックスで落とされた吊り橋でぶら下がるインディとモラ・ラム(アムリーシュ・プリー)とのやりとりだ。字幕版だとインディはマントラ(?)を唱えているだけでセリフも表示されないが、吹き替えだとインディが「シヴァに背いた貴様は地獄に落ちろ!」とか叫んでいる。インディの声をあてる村井國夫のこの時の演技が大変良いので是非見てほしい。