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52ヘルツのクジラたちのAのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
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なぜトランスジェンダーが死ななければならないのか?ということをずっと考えていた。自分が思ってる以上にマイノリティが死んで他の人に気づきを与えるフィクションに飽き飽きしていて、「マイノリティの不幸な死」で動く物語ならやめちゃえば?という気持ちが出てきてしまう。いじわるな見方なんだろうか?

こどもの虐待が取り沙汰されるとき、女親ばかり取り上げられて男親(逃げていてもそうでなくても)の存在が希薄なことについて、現実でも散々そうなのにこの描かれ方なんだなあとも思った。「母親」を強調してキナコ-愛をだぶらせる効果にしても。

というようなことがノイズになって終始うーんと思ったし、それを抜きにしてもエピソードの組み立て方(過去の挿入の仕方、場面の繋ぎ方)が自分とは合わなかったかも。ベターハーフという考えにもわたしは賛同しないし。「魂のつがい」に出会わなくても人はその人自身で完璧な存在だってことはヘドウィグがもう言っちゃってるし。もちろんそれが支えになる人もいて、アンさんが「肉体的に満たせない」ことを気にしていたことにも通ずるのかなとも。


宮沢氷魚はこういう男性表象を背負う気概で臨んだんだろうな、の意味で、わたしの中のコンユとか鈴木亮平と同じカテゴリに。
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