ヤングケアラーをはじめ、児童虐待やトランスジェンダーといった現代の社会問題を詰め込みまとめあげた原作を、映画にどう落とし込むのかに興味がありました。
若干の回顧録のように事件を淡々と並べていく印象があり、序盤物語に入り込めなかったり、途中の悲劇が淡々と連なる様が辛かったりしました。それでもキャストの演技の上手さや、全体的に色調が青で整っている様が物語としてのまとまりを出していたように感じます。
とても感動したし、杉咲花さんの真に迫る演技はずば抜けていると思います。
個人的には原作のような支えられる側から支える側になっていく循環や、愛（恋愛とかではなく人への広義としての愛）の形の違いによる衝突をベースに描いて欲しかったです。映画はジェンダーの面や魂のうんぬんが色濃く描かれていて、それはムシや親友の美春との関係性に優劣があるように感じた（勝手な受け取り方かもしれないけど）
