どの感情から書き出せばいいのか迷う。そのくらい自分の気持ちを揺さぶられた。
きっとこの作品は、どんな絶望的な状態にあっても生きて欲しい。そんなメッセージが込められていたのではないだろうか。
そうして生きていたら、愛情を注ぎ合えるような魂のつがいに出会うことができる。
だから自分を大事にして、希望を持って欲しい、そんなメッセージを受け取ったように思う。
52ヘルツのくじら、魂のつがい、そんな言葉がぴったりだと思えるような相手と出会って、それを伝えることができない、自分がつがいだと言い出せない安吾の気持ちはどれだけ苦しかっただろう。
自分が幸せを願った人が不幸への道を直走りそうになることがどれほど悲しく、怖かっただろう。
自分が自分であろうとすることを、障害と言われ否定されたことはどれだけ絶望であったろう。
彼には、勇気を持って自身のことを貴湖に伝えて、心から大切な人に自分を受容してもらうということを経験して欲しかった。
そんな時光景を心から見てみたかった。