わか

コンクリート・ユートピアのわかのレビュー・感想・評価

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
3.7
果たしてこれは誰にとってのユートピアだったのか。

崩壊した世界で生き残るために何が必要なのか、そして自分だったらこの状況でどう立ち回るのか考えてしまった。

困ったときほど助け合いだとは思うけど、本当に切羽詰まった状況でもそう思っていられるのか、映画を観ながら自分の心の深淵を見てる気分だった。

ただ、仮に生き残ったとして、その状況でその先に何があるんだろうとも考えてしまった。
そう考えた時に土壇場で出てくるのは人間性じゃなくて、多分生存本能なのかもと思った。

アパートの住民たちは、アパートに居ることこそが一番安全と思っていると同時に、希望はアパートの外にあると感じているというのが一番矛盾してるところだった。

そして、彼らはここが一番の理想郷だと自己暗示のように信じ込み、同時に希望が外から勝手にやってくるのを待ってる節がある。

進み続けるか、留まるか、人生における究極の2択を見せられているようで、ゾンビ物とかの世界終末系の映画みたいに色々考えさせられる作品だった。
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