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コンクリート・ユートピアのtjrのレビュー・感想・評価

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
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ディストピアの必然と言えば“何よりも恐ろしいのは人間である”という事実。
今作は何よりもそこにフォーカスし、人間の愚かさを克明に描いている。

ドラマシリーズだと、大災害の原因や敵対組織の掘り下げ、登場人物たちの過去エピソードなどで冗長化しそう。
しかし2時間の映画に仕立てることで、人間を描くことに特化している。
インターネットでの情報収集などが当然のように出てこないが、そんなことがどうでも良くなる説得力がある。

全くカッコよく見えないのが素晴らしいイ・ビョンホン、理想と現実の間で揺れるパク・ソジュン、人間の善性を1人で背負うパク・ボヨンと役者陣の好演が素晴らしい。

ラストシーンの台詞“あのアパートの住人は普通の人たちでした”は希望とも絶望とも取れる最高のパンチラインだった。
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