ラグナロクの足音

オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルトのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

3.9
寝かけた頃に必ずやってくる轟音の土砂降り。アメリカ南部ミシシッピ州で暮らすある女性が子供時代から数十年に渡り経験していく愛や傷心、成長を、美しい映像で紡いでいく。親子が世代に渡って同じことを繰り返すだけでなく映画全体が円環構造になっており魚を捌くカットで始まり終わる。なんとも詩的。そして多用する長回し。久々の再会で抱き合う男女を台詞もなく10分以上かけて撮る。恐れ入った。ストーリーは、マッケンジーはミシシッピの家庭で暮らす少女。父は娘に魚の獲り方を教え、母は娘に捌き方を教えた。自然と戯れながら、恋心を寄せるウッドと自転車で競争して遊ぶ毎日だったが、そんなある日、最愛の母が突然この世を去る。絶望の時を経た彼女は大人になり、かつての恋人ウッドと再会。もう交わることの無い2人の思いと、共に過ごした苦く美しい思い出が溢れ出す。彼女は揺れ動く感情の中で過ぎていく人生を噛みしめていく。という感じ。
ラグナロクの足音

ラグナロクの足音