てるみん

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦のてるみんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「映画を見た」というよりは「試合を見た」という感覚に近いものを得られた、大満足の作品だった。
私は原作は読んでいなくてアニメでしかハイキューを知らないが、それでも全然楽しめた。
少なくともあと2回は見に行きたい。
初日の興行収入的に100億はいけるのでは…?

以下、物語と映像に分けて感想を書く(長文)。

【物語として】
副題にある「ゴミ捨て場の決戦」のとおり、烏野vs音駒の試合を映像化したものだが、それだけでなく日向vs研磨の物語でもあった。
まず冒頭に日向と研磨の初めての出会いを描写することにより、「この映画の主人公はこの2人です」と認識できる。
『ハイキュー‼︎』は全体を通して見ると日向と影山の物語であるが、冒頭のシーンにより、この映画は敢えて日向と研磨の2人にフォーカスしていることがわかる。
そして、試合中の見どころも日向と研磨のネット越しの駆け引きにある。
研磨は頭が切れるタイプで、それこそゲームを攻略するかように日向を攻略していき、日向の得意技である速攻を封じ込めていく。
その研磨の術中にハマってしまった日向はどう対抗していくのか、その様を緊張もありつつ楽しめることができた。
そして、研磨の攻略を打破した日向を見た瞬間は何とも言い難いカタルシスを感じた。
最終的には烏野高校の勝利で物語は終えるが、それだけでなく、個人の視点で見ると日向は研磨に勝利しているのだ。
それがわかるのが第3セットにて、研磨がコート上でバテながらも「楽しい」と一言、それを聞いた日向が嬉しさのあまり叫ぶシーンは個人的に一番大好きなシーンだ。
映画でも描写はあるが、春高前の合宿時に日向が研磨に「楽しいとか悔しいとか言わせてみせる」と言った台詞が(一語一句正しいかわからないけどそんなニュアンスを言ってる)あったことから、研磨に「楽しい」と言わせた日向が勝利したことにもなるのだ。
つまり、この試合での「勝利」とは、少なくとも2つの意味を持つ。
烏野高校 対 音駒高校 という2校の対決の他に、日向翔陽 対 狐爪研磨という対決もあるのだ。

【映像として】
作画は文句なしのクオリティだった。
静と動のメリハリがついてるし、サーブ・レシーブ・アタックなど、本物のような自然な動きを見事にアニメで表現されていた。
一番印象的だったシーンは第3セット終盤、研磨の一人称視点で映像が描写されたところで、「そういう表現があるのか!」と感服した。
これは実写で再現するには難しく、アニメならではの映像表現だな思ったし、一人称視点になったことで自分もコートから見える景色を体感できた。
研磨の一人称視点のため、研磨の表情が見えないところが難点だが、途中で床に垂れた汗の反射を利用して、研磨の表情を見せる技法を使って難点を克服していた。すごい工夫だ。何回でも見たい。

【その他印象的なシーン】
・月島が試合中に笑う。
・月島と山口のハイタッチ
・管さんのテンションが高い
・鵜飼前監督が試合後にテレビに向かって右手を差し出し猫又監督と握手している。
・研磨の「面白いままでいてね」←突然のホラーでマジでビビった。
・エンドロール後の星海が出てくるところ。それを入れたってことは続編もアニメでやるってことだな?
てるみん

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