みむさん

フィンガーネイルズのみむさんのレビュー・感想・評価

フィンガーネイルズ(2023年製作の映画)
3.5
映画祭見逃し作品。「林檎とポラロイド」がとても良かったクリストス・ニク監督作。前作に惚れ込んだケイト・ブランシェットが今作に出演したかったらしいがすでにキャスティングが決まっていたため今回もプロデューサーとなったそうだ。

前作ほどではなかったが今作もまあまあ面白い。

カップルが愛し合っているかどうかを判定できるテクノロジーが開発された世界。
SFロマンスでふんわりした雰囲気だけど、テストのために爪を剥がして使用するので、激痛描写が何度か出てくる。

アラを探せばなくなはいが、特にあまり気にならない。
100%と出れば愛し合ってる判定、50%ならばどちらか片方だけが愛している(それかどちらなのかはわからない)っていうのは面白い。
この「どっちだかわからない」はあえてそうしたのかもしれないが、完璧なテクノロジーの開発までまだ到達してない感じがする。

たとえば自分が相手を愛しているのに50%の場合、相手が愛していない、自分が愛しているつもりでも実は愛していない、誤判定のパターンがあり得るし、そもそもこのテクノロジーを信用するのか?ということもあり、疑心暗鬼になるのもわかるし、これがきっかけで本心の探りあいになる者もいれば、あくまで参考やきっかけとして結果を踏まえて良くも悪くも新たな一歩を踏み出す者もいるだろう。

結局のところ愛はやはりテクノロジーで計れない、カップルの心の持ち様ってことなんだろうな。いくら技術が発達してもいいところまで行っても100%の完全な代替は不可な領域の一つなんだと思う。

オープンに終わるが果たしてどうなっただろうね、あの後。