いがらっしー

車軸のいがらっしーのネタバレレビュー・内容・結末

車軸(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

裕福な環境に育ちながらも、自分に違和感を覚え、互いに鏡の自分をみる様にもう1つの車輪を探しだし、1人のホストを車軸にして、何かを見つけようとしていく2人。結局、真奈美は性に奔放になっていくけれど、潤は解放されずにいた。

若い時にこの作品を観ていたら、2人の行動や気持ちを、そんな事もあるかもしれない…と素直に受け入れたかもしれない。しかし、彼らは淫乱な性向に奔狼されていただけだと思ってしまった。
しかもそんな彼らは、本物になりたいと言いつつ、ただ、性…いや、性癖という自分の欲望のみに従って生きているだけで、誰かの為に何かをしようとしている訳でもなく、なんて自分勝手な人達ばかりだろう!とも思ってしまった。
『本物』について語るシーンもあり、舞台挨拶でプロデューサーの方が『本物とは、人を愉しくさせられるもの』と語っていらしたのを聞いて、2人が本物に見えなかった事の理由が分かった気がした。残念ながら、2人とも、薄っぺらい人間にしか見えなかったのだ。
これは作品の内容についての感想。

映画全体としては、純文学的で格好いい作品だと思った。
特に舞台のシーンが素晴しい!
ジョルジュ・バタイユの『マダム・エドワルダ』の主人公エドワルダ(TIDA)の全身全霊の演技に、真奈美が落雷に打たれたかのような衝撃を受け、性に解放的になって行くキッカケになったシーンなのだけれど、それほど衝撃的でエロティックなシーンとなっている。
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