Sachika

アイアンクローのSachikaのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.2
誰かの幸せは全員で分かち合い、誰かの不幸せは残りの兄弟で悲しみを等分してきた。
その分母が欠けていく毎に上がる、1人が背負う悲しみの重み。
フォン・エリック家の兄弟が目指していた夢、父が描いた幻。
変える事のできない過去を想う。

2時間があっという間。
実際の悲劇を何も知らなかったから、全て実話とはわかりつつも、次こそは良い事がありますようにと願わずにはいられなかった。
不幸が続き、呪われた一家と呼ばれた彼らの人生は本当に壮絶で。
でもその「名前」と「鉄の爪」に縛られた彼らの本当の意味での呪いは…とか思ったりする。

せっかくなので棚橋弘至×有田哲平トークイベント付先行上映にて。
アンケートで聞かれなかったからめちゃめちゃ少ないと思うけど、プロレスの大ファンというにはニワカで、どちらかと言えば俳優とA24ファンの少数民。
あとは昭和プロレスファン大多数、平成プロレスファン、令和プロレスファン2名。

それでもお二人のトークも楽しかったし、鑑賞ポイントの勉強にもなった。
棚橋さんのおかげで、俳優の表情より足の動きばかり見てしまった気がする。
あとトークでザック・エフロンの肉体について「彼はかなり仕上げてる」って言ってたけど、棚橋さんに「引き抜きたい」と言わせる程に、特殊メイクを疑うくらいすごかった。
ザックはもちろん、ほかの兄弟皆も肉体がすごいのも魅力の一つ。
ハリス・ディキンソンとか筋肉!ってイメージなかったし。
それを言うとザック・エフロンも記憶の中では『テッド・バンディ』の時に「イメージ脱却」って言われていたのがつい最近の記憶だったのだけど、あんなにマッチョなんだね。


誰かも言ってたけど、アカデミー賞は絶対にザック・エフロンを主演男優にノミネートするべきだったと心から思う。
大傑作。プロレスに詳しくない人でも是非。
Sachika

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