プロレス界の〝呪われた一家”エリックファミリーの道程を描いたA24製作の実話映画。
「鉄の爪」の異名を取る名レスラー フリッツ・フォン・エリックは、息子達に最高峰のベルトであるNWA世界ヘビー級王座に就かせるべくプロレスラーの道を歩ませる。その様はさながら亀田三兄弟のアメリカ版。
全盛期であろうリック・フレアーが最大のライバルとして登場するなど当時のアメリカン・プロレスの雰囲気が味わえたが、プロレスの魅力云々というよりも父親の熱意が空回りし続け機能不全に陥る家族の話が物語の軸。
「逆転のトライアングル」の小物カール役のハリス・ディキンソンが活躍してくれて嬉しい限り。
三男のデビッドは、少し調べたがNWA王座として長期政権を担えるほどの大器だったんだな。
先日行われたWWEの祭典「レッスルマニア40」で、本作にも名前が出てきて後にNWA王座となるダスティ・ローデスの息子コーディがメインでWWEユニバーサル王座に戴冠していたので、どうしても対比して観ていた。
暗い側面だけでなく、生前の彼らの何気ない青春だったりレスラーとしての煌めきも描かれていたりと趣き深い良作だった。
